3rdアルバム発売記念ライブ3連弾 その2 |
2005/12/03 10、12 |
音楽ソフトはCDの時代、というか、ネット配信の時代になろうかという現在でも、アルバム発売記念ライブをして「レコ発(レコード発売)ライブ」と呼ぶのが、この世界の習わしのようです。TBSの伝統的な音楽行事が「レコード大賞」と名乗り続けているのと一緒です。 デビュー2年で3枚目のアルバム『おやじいらんかえ〜』をリリースしたペーソスは、12月に3つの大型ライブを実施いたしました。どれも単独ライブではありませんでしたが、気は心、それらすべてを「レコ発ライブ」と位置づけて取り組みましたので、詳細をご報告いたします。 12/3(土)浅草「木馬亭」 これまでに何度かお笑い芸人さんとのコラボレーションライブを企画してくださった演芸プロデューサーのTさんに、「浅草の木馬亭でやってみませんか」と声をかけて頂いたのは、ずいぶん前のことだったように思います。100席以上の大きな会場なので、何か良いきっかけがあればと思っていたのですが、3rdレコ発ライブに最適ということで、今回の出演となったのでした。Tさんから、浅草名代の煮込みを熱々のままお客様にお配りするというサービスの提案があったことに加えて、島本さんの事務所のSさんが「ホッピーでハッピー党」党首という関係から、生ホッピーもお付けするということになり、東京芸能のふるさと浅草で、煮込みにホッピーでライブ観賞という、ペーソスにふさわしい興行が実現したのです。 当日、午後4時半くらいに会場へ着くと、すでにスタッフの皆さんが準備を始めていて、ペーソスの二人とスエイさんも来ていました。早速、ステージのセッティングを確認して、リハーサルです。楽屋には、以前に2回ご一緒した、ギター漫談の花満開さんが見えていて、嬉しくなりました。知っている人がいると、安心するんですよね。年は食っていても新人なので、行く先々で初めてお会いする方々と楽屋を共有することになるので、それだけで緊張してしまうのです。 やがて、坂上弘さんと、今回初共演になるマキタスポーツさんもお見えになりました。坂上さんは、何度お会いしても、「初めまして」という雰囲気になるんですが、私たちのこと、覚えてくださっているんでしょうか? マキタスポーツさんは、「ヘンなオッサンたちだなぁ」と訝しがっている感じです。そこへ、着物姿の女性が、丁寧にお茶を出してくださいました。いかにも、演芸場といった雰囲気です。この女性が、口開けの舞台を務める神田きらりさんという講談師だということを、主催者のTさんに紹介されました。 予定より少しおして、7時前に開演すると、神田きらりさんがまず登場。それまでのおとなしそうな雰囲気が一転、良く通る声で軽快に語り出しました。まだ前座さんだそうですが、基礎のある人は違いますね。自分の素人芸が、恥ずかしくなってしまいました。これが、伝統芸能の凄さです。わずか10分ぐらいのステージでしたが、感心しました。 続いて、花満開さんの出番です。今年の3月に、立て続けに2回共演させて頂いて以来ご無沙汰でしたが、久しぶりに拝見したステージは、自信に満ちたものでした。前回は、漫才コンビを解消して一人になったばかりだったので、手探りの部分もあったようですが、今回は堂々としたパフォーマンスで、客席も沸いていました。 そして、初共演のマキタスポーツさん登場。たけし軍団期待の若手ということですが、飄々とした芸風は年季が入っているように見えました。フォークシンガーのように、ギター一本で座りながら演奏するスタイルは、お笑いには珍しいんじゃないでしょうか。そういうスタイルながら、コミックソングをそのまま歌うのではなく、「ネタ」になっているというところが、芸人さんです。シリアスに歌い出したかと思うと、いつのまにか「鼻メガネ♪鼻メガネ♪」という歌に変じてしまうネタには、やられました。私、会場の後ろのほうからこっそり見ていて、大笑いしてしまいました。今、私の中で大ブームです。鼻メガネ♪鼻メガネ♪ 中入り前のトリは、84歳の新人、坂上弘さんです。このページをご覧の皆様には、最早説明はいらないと思いますが、その存在は知っていても、生を見なければ、この人の凄さは語れません。持ち時間の15分間をほとんどノンストップ、ハイトーンで絶唱する体力は、素晴らしいです。それに、歌詞はすべて覚えていて、カンペを見たりしないのです。自分の作った曲なのに歌詞カードを見ながらでないと歌えない島本さんとは、大違いです。1曲目は自作の『交通地獄』、2曲目は尾崎豊さんのカバー『卒業』、そして3曲目、レコーディングでペーソスもお手伝いした、野坂昭如さんのカバー『やまと寿歌』では、スエイさんがサックスで登場し、岩田さんとマキタスポーツさんがバックで踊り狂うというスペシャル演出がついていました。ほとんど打ち合わせもなく突発的にやったことですが、坂上さんもノリノリで、楽しそうに踊って、髪の毛(?)がズレるハプニングも! 私も、及ばずながら影から司会をさせて頂きました。舞台から降りた坂上さんは、上機嫌で、「いいステージだった」と満足げ。「それじゃ、私は失礼します」と、ペーソスは見ずにお帰りになりました。この人、今まで、一度もペーソスのステージをご覧になっていません。ご自分の出番が終わると、お帰りになります。クレイジーケンバンドの武道館公演の前座を務めたことがあるそうですが、そのときもきっと、CKBは見ずに、お帰りになったのではないかと思います。さすが、大物新人。 10分ほど中入りの休憩をして、ペーソスの出番となりました。Tさんから、たっぷりやってくださいと言われていたので、16曲ほど用意して、力の限り努めました。 演奏曲 1:甘えたい 2:独り 3:おやぢいらんかえ〜 4:女へん 5:公園の風景 6:風に揺れている 7:ああ連帯保証人 8:豆大福 9:駄目になりそう 10:わたしズルいんです 11:新宿 12:揺れる二の腕よ 13:血サラサラ ※スエイさん参加 14:涙腺歌 ※ 15:霧雨の北沢緑道 ※ (アンコール) 16:恋人生 上手側、岩田さんの正面の、2列目ぐらいに座っていたロシア人とおぼしき女性が、「ハラショー」と大声援してくださいました。ところが、『涙腺歌』で、島本さんがハーモニカを吹きまくったり、スエイさんがサックスをうならせたりすると、途端に大ブーイング。どうやら、岩田さんのギターがお気に入りだったようです。 満場の大声援を頂いて、気をよくしたペーソスは、普段よりもかなり長いステージを中だるみすることなく努め上げて、充実した内容をお目にかけることができたと思います。ご来場くださった皆様、ありがとうございました。 終了後、出番前は訝しげな顔をしていたマキタスポーツさんが、ホッピーでほろ酔いの笑顔で、「楽しかったです。勉強になりました」と声をかけてくださいました。プロの芸人さんに褒めていただけて、とても嬉しかったです。これからも、こうしてお笑いの方々とも共演していければと願っています。プロデュースしてくださったTさん、お手伝いしてくださった皆さん、ありがとうございました。 |
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