第81回 2006/03/06
稿第74回で、家の裏手に狸が出現した話を書きましたが、今度は、同じ場所にウサギがいるのを発見しました。深夜、窓の外を見ると、杉の木の下に動く小さな影一つ。薄茶色のウサギが、ちょこちょこと移動しながら、下草を食べているようでした。野ウサギでは、ないようです。飼われていたものが逃げ出し、昼はどこかに隠れていて、夜になるとエサを漁りに出てくるんじゃないでしょうか。多摩に引っ越してから、野鳥を含め、いろいろな動物を見るようになりました。タヌキのことを母が近所の美容院で話したら、「庭に来るというお客様もいますよ」と言われたそうです。それどころか、ハクビシンを見たという人もいるとか。ハクビシンのことを調べたら、「山地の森林に住み、樹上で暮らす」と書いてありました。山地じゃ、ないんですけどね。すごいなぁ、多摩は。ウチにも来ないかなぁ、ハクビシン。小さい頃の夢は家の庭で動物園を経営することだったスマイリー井原でございます。

 先週は、アラーキー先生の定期展でしたが、私は表稼業の都合で、余興出演を欠席させて頂きました。従って、今回、ご報告することはございません。以上、終わり!……というワケには、いきませんよね。どうしよう。仕方がないので、私の、司会についての考え方を、ちょっと書いてみます。

 TVの歌謡番組で、司会の方が、曲のイントロに乗せて、歌い手さんのプロフィール紹介に終始するのをよく見かけます。「美空ひばりさんに憧れて、上京すること苦節○年、ついに開いた大輪の華、某さんが歌います『○○しぐれ』」というような司会です。が、私は、そういうやり方は良くないと思っています。そういうふうに紹介すると、お客様の意識が歌い手のほうにいってしまって、歌そのものに、特に歌詞に、気持ちが向きにくくなると思うからです。

 歌謡曲にとって、一番の目的は歌詞をお届けすることで、良いメロディーはそのための手段なのだと思います。そのために、歌詞の内容を的確に要約して、「これからこういう歌を聞いて頂きますよ」ということをお客様にお知らせするのが、司会の役目なのだと思うのです。

 電話をかけるとき、真っ先に「もしもし」と言うのには、「これから話を始めますよ」という注意を先方に与える効果があって、必要なのだそうです。『甘えたい』の紹介で、私は毎回、決まり文句で、「このたび生まれてきたときは、こんなおやぢに成り果てたけど、今度生まれてくるときは、できれば美人に生まれたい」と言っています。これについて、ネタバレするから止めた方が良いのではないかという指摘をされたことがありますが、私は、そうは思いません。これは、電話の「もしもし」と同じ効果をもたらしていると、信じています。このセリフを言うことで、ペーソスの歌の世界が、すんなりとお客様に届くようになっていると思っています。……過信でしょうかね? ともかく、私は、そういうやり方で、これからもペーソスに貢献していけるよう、頑張っていきたいと思います。偉そうに語って、すいません。

 さて、今週も、ペーソス活動はございません。週末は、最近知り合った芸人さんの単独ライブへ行こうと思います。楽しみぃ!

 それでは、♪梅は咲いたか桜はまだかいな、真冬も終わりの3月初旬を、楽しく暮らして参りましょう!