堀尾さんのパートナー、Humberさんにテナーサックスで入って頂いて、実に心地よかったのですが、サックスの音色に酔いつつも、私は、気もそぞろでございました。それというのも、第2ステージ開幕直後、恐ろしい事件が起こったのです。私が前口上を申し上げている時、何らか、飛行物体が、客席からステージへ飛来しました。そのUFO(Unidentified Flying Object )は、私をかすめて、島本さんのスラックス(スラっとはしておりませんが)右太ももに着地。そこで初めて、私の両目1.5の視力が、それをアイデンティファイしたのでございます。この時期から活動を活発にする黒色の、しかも、ヌメリ、テラリと発色した、ガサゴソと高速で動く昆虫、通称「G」でございます。Gは、島本さんの太ももにしばし留まった、かと思うと、恐ろしい早さで背中へ駆け上った! アカンてアカンてアカンて! 私はただ、飛び退いて、職場放棄するしかありませんでした。ステージを遠巻きに、オロオロするばかり。当の島本さんは、何が起こっているのか解らず仁王立ち。岩田さんは、気にも掛けずギターをポロリと弾き続けております。結局、島本さんの背中から壁に飛び移ったGは、箒を持ち出したマスターに叩き落とされ、退治されました。ホンマ、生きた心地がせんかった。Gショック!
FRIDAYは、お酒と食事を出すお店ですから、普通、こういう事があったら、言わないでくれ、と箝口令を発するものです。ところがこちらのマスター、「面白ぇから、よそでバンバン言いふらしてくれよ。面白がって、来てくれるお客さんが増えるかも知れないからさぁ」だって。敢えて苦言を呈しまする。オッサン、間違っとるぞ!
7/16(木)は、下北沢の北沢タウンホールで、「笑って健康祭!」という演芸会に出演させて頂きました。「てなもんや三度笠」「名人劇場」などを手がけた名プロデューサー澤田隆治先生主催のイベントです。夕方、楽屋入りすると、部屋の入り口に出演者の名前があって、二つに振り分けられておりました。ペーソスは、堺すすむ師匠、澤田隆治先生、そして、レツゴー三匹のリーダー正児師匠とご一緒です。若手芸人だったら卒倒しかねない布陣ですが、平気だも〜ん、ペーソスはミュージシャンだから(自称)!
開演前、両師匠がお話しされているのを末席で拝聴しておりました。正児師匠は、「出番終わったら帰ってエエかな?」とおっしゃっていました。久しぶりに東京へ来たので、昔なじみの店に寄りたい、とのこと。出番は、正児師匠がペーソスの二つ前で、師匠のステージを裏で待機しながら拝聴し、降りられたところへすかさず「お疲れ様でした」とご挨拶。次の出番が人気者のナイツさんで、舞台袖で拝見し、降りられたところへ間断なくペーソスが登壇いたしました。
演奏曲
1)空飛ぶ領収書
2)疲れる数え歌
3)霧雨の北沢緑道
ホールは補助席まで出る満員です。さ、張り切ってやろう、と思ったら、下手袖、パイプイスを出してどっかと座り、腕組みをしてこちらを見据えている正児師匠のお姿が! FRIDAYでのGショック並みの衝撃を受けました。いや、あの、正児師匠がGと同じだと言っているわけではなく、何と言うか、その、インパクトがGくらいであって、いや、あの、Gに飛びつかれるよりもよっぽど恐ろしい……結局比べとるやないか!
またしても、正児師匠によって気もそぞろ。楽屋へ戻ると、師匠から話しかけてくださって、「ボクも、年寄りの自虐ネタの歌作ってんねん」とおっしゃって、歌ってくださいました。観客は、ペーソス+私の3人だけです。贅沢やぁ〜! 「出番で歌おかと思ったけど、時間無かったから止したんや」やて! 師匠に先に歌われてたら、ワシら、出られまへんがな! カンベンしとくんなはれ。
7/19(日)は、下北沢KOMPALで定期ライブでした。開演予定時間の19時に、お客様ゼロ。アカン、と思いましたが、しばし開演を待ちまして、結局、5名様おいで頂きました。暑いから、出足が止まったのでしょうか、中高年層は? エアコンが効いておりますので、外は暑いですが、来月はぜひ、どしどしお運び下さい。ホンマ、お客様ゼロやったら、Gとか正児どころの衝撃やおまへんで!
というワケで、なんやかや激動の1週間でございました。次のライブは30日(木)台東区のメゾンドバンブーです。またしても何らかショーゲキを食らわないよう、斎戒沐浴して挑みまする。ぜひ、ふるってご来店下さい!
それでは、お暑い中ですが、お熱い仲ラブラブで、今週も張り切っていきましょう!