12月になりました。師走と申しますと、先生が走り回るほど忙しい、なんてことを言いますが、本当ですか? 調べてみますと、「師」というのは、お坊さんを指す、という説もあるようですが、先生だろうがお坊さんだろうが、なぜ、12月になると走り回るんでしょうか。借金かな? 芸能人は、走り回るそうですよ。忘年会の余興だの、ディナーショーだの、年末年始の番組収録だの生放送だの、稼ぎ時です。ペーソスは、全国ツアーが終わると、ヒマでございます。今からでも、忘年会の余興など、頼んでくださる方が、いらっしゃらないかなぁ。

ペーソス初の単行本『血糖値が高いから』

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演奏曲


<第一部>

1)おやぢいらんかえ〜

2)モツ焼小唄

3)女の一夜干し

4)ワーキング・プア

5)空飛ぶ領収書

6)モトスリ横町

第一部は、まずペーソスの出番からです。スポットライトが客席の後ろから射してきているので、お客様が全く見えず、果たして来てくださっているのかどうか、わかりませぬ。ま、無人でないことは、わかるんですが。「かなり入ってます。バッチリっす」と、袖に控えたツアーマネージャー兼舞台監督のgutsさんが言うんですが、ホントかね? えーい、勢いで、行ったれ!

12/6(土)は、本拠地・下北沢の「北沢タウンホール」で、全国ツアー「ペーソスアワー2008」第4弾となるコンサートでございます! ライブじゃなくて、コンサートです。タウンホールでは、これまで、12階のスカイサロンで何度もライブをさせて頂きましたが、今回は大ホールでございまする。ペーソス主体の公演で、最大級の会場です。問題は、お客様が来てくださるか、ということなのですが……。ペーソスだけでは心許ないので、一流のゲストをお招きいたしました。三遊亭圓馬師匠と、近藤房之助さんです。うーん、心強い! でも、ペーソスなんぞとは、釣り合わない! ペーソスをゲストとして呼んで頂いたほうが、興行として成り立つと思うのは、気のせいでございましょうか?


ペーソスの次は、早くも三遊亭圓馬師匠の登場です。本来なら、二番手に出るなんてことのない方ですよ。圓馬というのは、明治から百数十年、名人上手に伝えられてきた大名跡なのですから。本来なら、トリを務めて頂くのが当然ですが、今回は、ペーソスを助けてくださる出演ですから、失礼ながら、第一部のトリということにさせて頂きました。師匠は、ちっとも気になさっていませんでしたが。演目は『時そば』でございます。

近藤さんの、ギター一本とは思われない表現力と魅惑のハスキーボイスで、音楽コンサートらしくなってきたぞ、というところへ、岩田さん登場。二人のギター共演は、カッコイイ! あぁ、岩田さんも、本物のミュージシャンだったんだ! さらに島本さんが登場して、「ブラジャー!」と絶叫するや、「本物」から一気に「タワケ者」へスイッチするところが、見所でございます。手前ミソですが、こりゃ、面白い〜!

休憩が入りまして、第二部は、近藤房之助さんからスタートです。これまた、前座扱いは申し訳ない、大物ミュージシャンでございます。音楽通の方でなくとも、『おどるポンポコリン』の人だと言えば誰もが知っている有名人ですが、ブルースの世界では、もっと凄い! ニューヨークやロンドンで、歴史的ミュージシャンと数々共演なさってきた、世界的ブルースマンなのでございます。そんな大物が、ナゼに、ペーソスの前座でちょいと2曲なのか!? それは、近藤さんが、ペーソスの二人と同じ高校の卒業生、一級下の後輩だったからなのです! 近藤さんも下北沢でよくお呑みになっていて、島本さんと出会い、「あ、後輩なの?」「先輩だったんですか!?」と驚き合って、今回のライブの話をしたところ、「じゃ、オレも出させてくださいよ」ってなことになったワケでございます。縁は異なもの味なものでございますねぇ。

第214回

2008/12/08

ときたま、スポットが落ちると、ちらほら客席が見えてきて、イイ感じに席が埋まっているのがわかりました。良かった〜。普段、お客様のお顔がよく見える環境で、しかもぐっと近くに座っていらっしゃる前で演っているので、どうも、やりにくいッス。お客様は、どう思われたんでしょうか? BBSにご感想をお知らせ下されば幸いです。

<第二部>


1)ソウルブラジャー〜甘えたい

            ※ソウルブラジャーに近藤房之助さん参加

2)独り

3)わたしズルいんです

4)疲れる数え歌

5)ヘーケイ物語

6)女へん ※近藤房之助さん、スエイさん参加

7)女々しい男の子守唄 ※

8)涙腺歌 ※

9)霧雨の北沢緑道 

            ※三遊亭圓馬師匠も参加

アンコール

10血サラサラ ※全員でコーラス

後半から、ふたたび近藤さんにご登場頂き、スエイさんも交えて、いよいよペーソス版音楽コンサートでございます。最後には、圓馬師匠にも出て頂いて、皆で歌いました。歌謡番組の終演時みたいだ〜と、本人たちは思っていたんですが、ご覧になったお客様は、どうお感じになったんでございましょうや? ぜひとも、BBSへご感想をお知らせ下さいませ。

すっかり熱演して、終演予定時間を過ぎてしまいましたが、館長さんはにこやかに「良かったですよ」とおっしゃっていました。「次は、近藤さんのゲストにペーソスで」だって。そりゃ、興行的には、そのほうが良いでしょうなぁ。

その後、打ち上げで盛り上がり、夜中まで呑んだのは、言うまでもありますまい。私は落語が好きなので、打ち上げの席で圓馬師匠にいろいろとお話を伺って、楽しかったです。お弟子さんをお取りにならないんですか、とお聞きしたら、「あたしのところへなんぞ、来る者はいませんもの」なんて仰いましたが、「来ても、噺家になるには修行が大変なんだぞって脅すと、止しちゃうんです」とのこと。話のマクラで、ご自身の前座時代を話していらっしゃいましたが、「寄席で一日下働きをして、貰えるのは300円。寄席まで電車に乗っていくと160円かかるから、歩いて帰りました」というエピソードは、本当だったそうです。二十年ぐらい前の話ですよ。そういう苦労をして芸を身につけて来たんだから、貰ったギャラをその日のうちに呑んじゃって、足らなくなって自腹で払っているようなおやぢたちとは、ワケが違います。近藤さんは、どちらかというと、ペーソスに近いですが。そりゃ、貰っている額が違うので、一晩で呑んじゃうことは無いと思いますが。実は、コンサートに先立って、珍しく練習したんですよ。スタジオを3時間借りて、近藤さんに来て頂いて、小一時間やったら「良いんじゃない」と満足して、残り2時間キャンセルして、呑みに行ったんですけどね。昼間から、餃子を食べて焼酎を呑んで、ずーっと下ネタです。いや、近藤さんと岩田さんが音楽の話をしているところ、スエイさんが下がかった方向へ導いて、島本さんがポツリと決定打を放つ、という流れでしたが。あぁ、しょーもない、けど、面白いなぁ、おやぢって。

さて、ツアーも残すところあと一カ所となりました。21(日)札幌です。それまで、ほとんどスケジュールが空白です。芸能人が走り回る12月なのに! 忘年会の幹事をお務めになるという方がいらっしゃいましたら、今からでも、ペーソスを余興にお使いになることをご検討頂けませんでしょうか? 東京近郊でしたら、すぐ駆けつけますので。

それでは、今年も押し迫ってまいりましたが、ラストスパートの一ヶ月、張り切ってまいりましょう!

今回は、一応、音楽主体の会なので、あまり落語にお詳しくないお客様も多かろうというご配慮で、有名な話を選んでくださったのだと思います。この話の見所は、蕎麦を食べる所作でございますよ。扇子を箸に見立てて、音を立てて蕎麦を啜る仕草を演じるわけですが、初めに、鰹ダシがきいた汁、角の立った細い蕎麦、厚く切ったちくわ、これらを美味しそうに食べるくだりがあって、次ぎに、正反対の、卒倒するような苦い汁、茹ですぎてトロトロになった太い蕎麦、溶けて無くなりそうな薄っぺらいちくわ麩を懸命に食べるんですが、この演じ分けが、さすがでございます。蕎麦を、美味しいほうの蕎麦を、今すぐ食べたくなってしまいました。こちとら江戸っ子、埼玉の生まれですからね。うどんよりも、蕎麦でございまする。しかし、こうした本物の芸を挟んで、またペーソスが出るのは、気が重いっす。