2004/12/13(月)NHK「ポップジャム」出演レポート
(O.A.2005年1/14深夜)
 ペーソスにとって素晴らしいことばかりだった2004年の暮れ、一年を締めくくり、新年を華々しく幕開けるための一大イベントが、今まさに、東京の渋谷区神南で行われようとしておりました。歌謡界という野辺に咲く草花なら、バラもヒマワリも、ドクダミも便所の裏のヤツデも、誰しもがあこがれる最高峰メディア、NHKへの出演でございます! 便所の裏のヤツデに、なんでそんな大チャンスが訪れるわけ? という疑問を、我々に投げかけないでください。一番不思議に思っているのは、当のペーソスなんですから!
 
 12/13(月)の正午、おなじみPヴァインレコードの辣腕プロモーターK氏の先導で、NHK放送センターに入っていきました。K氏が守衛さんに自分専用の入館証を見せながら、「こちら3人は、『ポップジャム』の出演者です」と申告すると、どうぞお通りくださいという返事。岩田さんは、「ありがとうございます」と言って深々とお辞儀をしております。そんな芸能人、いませんよ。堂々と行きましょう!
 
 巨大な放送センターの中を通り抜けて、地下駐車場を横切って、NHKホールの楽屋口へ向かいます。そこで再びK氏が入館手続きを取っている間、ぼんやり待っていると、長髪のミュージシャンふうの人が、「あ、ペーソスさん、今日はがんばってくださいね!」と声をかけてくれました。島本さんも岩田さんも、あれ、どなただろ?という顔をしています。私も、存じ上げない方です。すると、「『春一番』のとき、音響やらせてもらってた者です。今日も、担当しますんで」とのこと。ああ、ここにも縁がありました。「春一番」出して頂けて、本当に良かったなぁ。
 
 楽屋で、K氏から台本が手渡されました。きちんと製本された、厚さ1pくらいの立派な冊子です。めくっていくと、セッティング図も書いてあって、あ、私の名前も入ってる! カメラ割りの指示もあって、「下手よりバックショット→島本かなり接近してちょっとアオリぎみで」などと書いてあります。
 
 台本をじっくり読みふけっているうちに、音合わせの時間が来て、いよいよステージへ。立ち位置などの指示を頂いて、『甘えたい』ショートバージョンを通してやってみます。この日のために用意した飛び道具、サビ前に「カー」と鳴らすビブラスラップという打楽器を叩いたら、ディレクターさんから、「もうちょっとマイクから遠ざけてください」と言われました。結局、本番では、指示された位置よりも、かなり近くで叩いちゃったんですけど。音響さん、ごめんなさい。
 
 音合わせが終わって、時刻は13:00ごろ。15:30からのカメラリハーサルまで、大きく時間が空いたので、K氏の案内で、放送センター内の大食堂へ行って、昼食を食べました。ラーメンやうどんそば、和洋中華の定食類に、お寿司まであります。軽く食べてきたという岩田さんはお寿司を、島本さんと私は「コンペディションに勝つ」という気持ちを込めてトンカツ定食を頼みました。なかなか、美味しいです。ふと見ると、K氏は定食とお寿司と両方取って、スゴイ勢いで食べています。指摘すると、「スマイリーさんに、レポートのネタを提供しとこうと思って。待ち時間ばっかりだから、こういうことがないと書くことないでしょ?」って、よけいな心配すな! 書くことは、いっぱいありますよ。例えば、食べ終わった後、食器を戻すとき、お箸だけは決められた場所に返す、ってこととか。NHK食堂のルールを、バッチリ覚えました。これで、「紅白歌合戦」出場のオファーが来ても、大丈夫です。
 
 カメラリハーサルは、本番と全く同じように行われました。まず、ホール前方の入退場口から客席に入って、舞台下手前の席に座ります。ここまではホール内でご覧になっているお客様のための演出で、番組には映らないのですが。そこから、呼び出されたら舞台へ上がって、パフォーマンスして、また座席に帰り、出場全組が終了したら、退場して、エンディングの舞台へ……。ライバル達の素晴らしいステージングを次々に目撃して、ペーソスの二人は、「優勝はむずかしいかな」などと言っています。優勝するつもりだったんかい! などどツッコんではいけません。その心がけが、大切なのです。ダメだと思ってやるのは、ご覧になってくださっている皆様にも失礼です。とにかく、全力を尽くすということを再確認しました。
 
 これですぐに本番なら、アドレナリンも出まくりなのですが、またまた時間が空いてしまいました。本番は19:30から。この時点で、まだ17:30ぐらいです。ともかく夕食を取ろうということになり、またまた大食堂へ。あまりお腹がすいていないので、ラーメンぐらいにしておこうということになり、注文カウンターの列に並んでいると、我々の前に後ろ姿の美しい女性が数人、立っています。ふと振り返った横顔を見ると、「モーニング娘。」のメンバーじゃないですか! この日の「ポップジャム」収録は2週分で、ペーソス出演の翌週放送分に、彼女たちが出演されるのです。卒業が決まっているリーダーの飯田圭織さんは、今回が「モーニング娘。」として最後の「ポップジャム」出演だそうで、記念日に、遠巻きですが夕食をご一緒させて頂くことが出来て、光栄でした。ペーソスの二人は、「あの娘たちが『モームス』?」などと、名古屋名物「天むす」ぐらいの軽い関心で聞いてきますが、ま、置いておいて……と思ったら、またもやK氏が、定食とラーメンの2個食いをしています。指摘すると、「面白いでしょ? 『なる週』に書いてくださいね」などと言ってます。あー、これから本番なのに、テンション下がった!
 
 18:40ごろからお客様の入場が始まり、19:00を過ぎて、いよいよ出演各組そろって舞台下手袖に集合です。登場順に、嘉陽愛子さん、ペーソス、JINDOUさん、えちうらさん、ティンクティンクさん、マシコタツロウさんの一列になり、段取り通り、ホール内へ入場行進していきます。高山アナウンサーの「ブレイクレイダーNEOまつりに出場する6組にご登場頂きましょう」という紹介がホール内に響いて、扉が開けられると、甲高い大歓声が押し寄せてきました。会場内は、見たところ8〜9割がハイティーンの女の子たちです。会場のお客様に審査が委ねられているので、これではペーソスには不利です。……そんなこと、わかってはいましたが。ともかく、オッサンだからと気後れするまいと、女の子たちの歓声を押し戻すように胸を張り、行進していく、と、歓声に混じって「あ、ペーソスじゃん」という声が聞こえてきました。おそらく、フジテレビ『音箱登竜門』あたりを見てくださった娘さんなのでしょう。ペーソスも、なかなか捨てたもんじゃないぞ。
 
 1番手の嘉陽愛子さんが降壇して、いよいよペーソスの出番です。アラーキー先生の応援映像が流れ、高山アナに促されて、ステージ上へ。番組には使われませんでしたが、歌の前にいつもの「ペーソスアワー、素晴らしき平成歌謡。歌謡界という野辺に咲くさまざまな草花……」という口上があって、それから『甘えたい』の演奏に入り、島本さんは悶え、岩田さんは淡々とし、私は例の飛び道具を力一杯叩きます。歌い終えたペーソスへ、つんく♂さんは「アンタら、ズルいわぁ」と笑いながらおっしゃいました。私の頭の中に、「パララパラパラパラッパッ」というサックスのイントロがこだましたのは言うまでもありません。「バイバイありがとうさようならぁ」と心で歌いつつ、66.2%というなんだか中途半端な数字を獲得してしまったのはいかがなものかと思いましたが(たぶん演出サイドのペーソス起用の狙いはとんでもない低支持率をたたき出すことだったと思います)、優香さんにメガネをホメられましたし、会場の娘さん達は思ったよりもずっと好意的で、本当に楽しい体験でした。そういえば、番組では、私は全く紹介されておりませんでしたね。現場では、「専属司会の……」とご紹介いただいていたんですが。明らかに、謎の男です。司会しているかと思えば、変なパーカッション叩いているし。
 
 最後に登場したマシコタツロウさんは、一青窈さんの『もらい泣き』『ハナミズキ』の作曲者という肩書き通り、段違いに高い音楽性で、当然の優勝だったと思います。ご存じの通り、ペーソスも「波田陽区特別賞」を受賞し、存在をアピールいたしました。波田陽区さんは、とっても腰の低い方で、先方から我々の楽屋へ挨拶にお見えになるほどでした。岩田さんが、トイレで会って写真を撮らせてもらったら、ちゃんとポーズをしてくださったそうです。あの銀のトロフィーは、「後でお渡しします」と言われて、まだ送られてきていないようですが、手に入ったら、下北沢の「BarKOMPAL」に展示する予定です。定例ライブのときに、ご覧いただけるといいですね。
 
 終了後、渋谷の焼き肉店でささやかな打ち上げをいたしました。K氏は、またしてもモツを中心にモリモリ食べていました。食事で力を付けて、また、ペーソスにステキな出番を持ってきてくれるんだと思います。Kさん、よろしくね!
2005/01/17
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