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11/19(金)初台TheDOORS
「『生で甘えたい』発売記念ライブ ペーソスな夜」
レポート
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小雨そぼ降る晩秋の宵に、3ヶ月遅れで新譜発売記念ライブです。この日のために何度も何度も、厳しい練習や綿密な段取り打ち合わせを……しませんでした。スエイさんのサックスが絡む3曲だけ、スエイさんと3度、ベースの守屋さんとドラムスの塩澤さんが加わって1度、練習したきり。あとは「なんとかなるでしょ」(by岩田)という、いつものノリで、当日に挑んだのでした。
開演直前のリハーサルでは、出来るだけ通してやってみて、演出上の段取りをさらっておきたかったのに、このオジサン達は、『4ビート甘えたい』を何度も熱心に演奏して、なかなかやめてくれません。PヴァインレコードのIプロデューサー曰く「リハーサルで練習しちゃうんだもんなぁ(笑)」。 持ち時間が少なくなり、ちょっと焦り始めた私が、強引に仕切って段取りをさらい始めると、島本さんも岩田さんも面倒くさいなぁという表情です。衣装替えをするところが何回かあるので、「ちゃんと時間内に出来るか、実際にやってみましょう」と提案したのですが、「大丈夫だよ。いつも家でサッと着替えてるもん」(by島本)などと言っています。そうこうしているうちに、リハ時間終了。PAや照明の方々とは、なんとか段取りをつけられたのですが、肝心のペーソスが、大丈夫かなぁ? 楽屋へ戻ったら、「なんか今日、スマイリー機嫌悪いね」などと陰口を言っています。機嫌が悪いのは、アンタ達のせいですからッ!
お客様の入りを待って、15分ほど押して開演。まず、83歳のラッパー坂上弘さんのステージからです。尾崎豊の『卒業』を真摯に歌われる姿を見ていたら、泣きそうになってしまいました。ちょっと、会社で嫌なことがあったもので。私も「分別くさい大人達の支配」から卒業したいなぁと思ってたところだったんです。尾崎は、私と同い年です。ずっと、青臭い歌を歌うヤツだなぁと思っていましたが、今、83歳に歌われて、その良さがわかりました。坂上さん、ありがとうございました。
続いて、「マダムギター」こと長見順さんの登場。キーボードとドラムスをバックに、けだるい歌声と、鳴きのギターがカッコイイ! 『アラバマ・ソング』が良いなぁ、と思ってたら、イカン、そろそろ支度しなくちゃ!
さあ、ペーソスの出番です。今回は前半後半の2部仕立て。第1部は、架空のAMラジオ番組『ペーソスナイト 平成歌謡でこんばんわ』で、次々とペーソスの曲が取り上げあられていくという設定になっています。舞台上手に小さなテーブルが置かれ、そこを放送スタジオに見立てて、私がリクエスト曲を紹介すると、舞台にスポットライトがついてペーソスが演奏を始めるという段取りです。
私は、ラジオ番組のDJとして、CDをかけているつもりなので、舞台上のペーソスとは、全く無関係になっていなければなりません。ペーソスの二人が曲に合わせた衣装に着替えるという演出もつけてあるのですが、先に書いたとおり、ちゃんと着替えられるかリハーサルしていないので、ちょっと心配だな、と思ったら、案の定、台本上のセリフが終わりかけているのに、着替えが終わらない様子です。仕方がないのでアドリブでつなぎながら、なんとか間を持たせましたが……。まったく! さらに、歌い出したとたんに島本さんが譜面台(正確には歌詞カード立て)を倒してしまい、歌い直すハプニングも発生! こちらも、「あれ、CDが音飛びしましたね。すいません。もう一度」とかなんとか、アドリブでフォローできました。とにかく、ハラハラの第1部でしたが、お客様には、なんとか、大きな綻びをお見せせずに済んだと思います。ご覧になった方、いかがだったでしょうか?
第1部演奏曲
@わたしズルいんです
A独り
B風に揺れている
Cああ連帯保証人
D豆大福
Eああ愛情〜駄目になりそう〜
F男嫌い
G甘えたい
第1部終了後、大阪の映像会社・RIBIAのO社長がタダで作ってくれたプロモーションビデオをお客様にご覧頂いている間に、舞台転換&衣装替え。
第2部は、TV歌謡ショウ『演歌のあぜ道』という設定ですが、まぁ、いつも通りのステージ運びと言ってもいいでしょう。こちらは、これまでに幾度となくやってきたことですから、演出面での不安はありません。わずかな不安は、バンド演奏曲を初めてお客様に披露することですが……。『白ゆりにて』演奏後、私がペーソスにインタビューしている間に、ベースの守屋さんとドラムスの塩澤さんがセッティングを整えます。お二人の衣装は、オレンジ色のウインドブレーカー上下に、蛍光素材の安全ベスト。名付けて「ペーソス・レスキュー隊」です。ペーソスを助けてくれる、強力な助っ人登場とご紹介して、『涙腺歌』演奏スタート。おお、やっぱりリズム隊が入ると、音がぶ厚くなってイイぞ!
4番を歌い終えたところで、スエイさんがサックスを吹きながら登場。島本さんのハーモニカと、協演、というか、競演、というか、狂演、というか……楽器に情念を叩き付ける、オヤジ二人の音楽バトル開陳! そして、5番の後の間奏は、スエイさんのソロパートです。舞台にスモークが漂い流れる中、2コードの繰り返しに乗って、テナーサックスの甘いささやきがこだまし、ダウナーなトリップ感がTheDOORSを包みます。カッコイイ! 本当に、カッコイイぞ! 『涙腺歌』1曲の演奏に10分くらい使いましたが、長さを感じさせない出来だったと思います。いかがだったでしょうか?
第2部演奏曲
@煩悩
ASEXと嘘と写真
B女へん
C白ゆりにて〜スエイさんの唄〜
D涙腺歌
E4ビート甘えたい
F霧雨の北沢緑道
アンコール
Gどーよ!(新曲)
H恋人生
終演後、お見えになっていた放送作家の高田文夫先生に「もっと、どんどんやんなさい」とアドバイスして頂きました。ご覧くださった皆様、ありがとうございました。また、近いうちに、このくらいの大きな会場で出来たらいいなと思っています。
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2004/11/22 |
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