©2005pathos-records
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第546回「オフにつき今回は評論です」2015 07.13発行
映画「海街Diary」を観ました。おだやかで、良い作品でした。綾瀬はるかさんが、責任感の強い大人の女性をしっかり演じていて、頼もしく思いました。母方の祖父母から受け継いだ鎌倉の古い屋敷に、三姉妹が住んでいるワケです。
長女の幸(綾瀬はるかさん)は看護師、次女の佳乃(長澤まさみさん)は信用金庫務め、三女の千佳(夏帆さん)はスポーツ用品店の店員。彼女たちの少女時代に出奔してしまった父の訃報が届いて、葬儀出席のために東北へ行くと、迎えに出たのが異母妹のすず(広瀬すずさん)。中学生なのに、妙にしっかりとした娘です。父は再再婚しており、すずの母は既に亡く、継母には大切にされていない様子。そこで三姉妹は、すずを鎌倉へ引き取ることにする。
かつて自分たちから父を奪った女が生んだ娘ですが、三姉妹は気にしていない。でも、すずは、それを強く自覚していて、優しくしてくれる姉たちに囲まれて、嬉しいながらも困惑し、遠慮している。それが、やがていろいろあって、本当の家族になっていくワケです。原作の手柄が大きいと思いました。さすが、吉田秋生先生ですな。登場人物たちの微妙な心理が、明確に表されないながらも察せられて、なるほど、と思います。文芸批評に堪える強度を持っている! 漱石先生レベルではないかと思いました。いや、ホントに。
ということで、先週はペーソス活動が完全にオフでしたので、まずは映画評から書いてみました。
次に、ドラマ評をいたします。
毎週楽しみにして観ていたドラマ「天皇の料理番」が、7/12(日)に最終回を迎えました。かつての堺正章さん主演の旧作も素晴らしかったけど、佐藤健さんも、実に良かった! 佐藤健さん以上に、黒木華さんが良かったです。CMでしか見ておらず、さして興味が無かったんですが、ドラマでその魅力を認識いたしました。実に、この、何と言うか、イイ! そのことを西荻窪「小料理HANA」女将に話したら、「井原くん『小さいおうち』観てないの? アタシはあれ以来、黒木華の大ファン」とのこと。見逃しておりました。すぐ観なければ!
なんか、いつものライブ報告よりも充実しておりますな。
調子が出来てたので、バラエティ番組評も書きます。
土曜日に予定が多くて、ずいぶん見逃していた「ブラタモリ」を久しぶりに観ました。この番組は、タモリさんが「オレはダンサー(段差に興味がある人)だから」と仰る通り、地形から都市の成り立ちを読み解いていくところが面白いのです。今回は仙台でした。
伊達政宗公は、海に向かって広がる仙台平野ではなく、あえて山間部の台地に城下町を建設した。堅固な城を築くための措置だと思いますが、それだけではないのです。仙台平野の地層を研究している大学教授が登場し、手筈を習ったタモリさんが掘り起こしてみると、たびたび水害に見舞われていたこと、川の氾濫や津波のあったことがわかります。そのリスクを避けて、台地に都市を建設したのだ、と。
但し、台地は水利上の問題があります。生活用水を確保しにくいんですな。そこで政宗公は、四ツ谷用水という水路を建設させた、と。今は暗渠になっているのですが、タモリさんは、すかさずその場所を見抜きます。「車道に比べて歩道が不自然に広いところは、元は川だったケースが多い」との指摘はさすが。都市って、人が集まって何となく形成されたように思っていましたが、そんなことないんですね。日本では、江戸時代初期までに、為政者がキチンとインフラ整備をして作り上げ、それが上手く行って発展したところが、いまも大都市となっているんですな。勉強になりますなぁ。名番組だ!
ということで、私はオフを有意義に過ごしました。さぁ、ライブです! 本稿アップ日の7/13(月)は、西荻窪「小料理HANA」単独です。新曲発表予定。今回、末井さんが海外旅行中なので、3人で務めます。不在をマイナスにせず、面白い展開になるよう、頑張ります!
7/19(日)に、ももづか怪鳥さんに誘って頂いたイベント「早稲田・怪鳥ミュージックレッスル」に出演いたします。これも末井さん不在ですが、寂しくならないよう努めます。我々も含めて、異色ミュージシャンが多数出演いたしますので、ぜひお運びください!
かつては2週間ぐらいオフということがしばしばあったのですが、ここんとこ週2ライブが当たり前だったので、10日のブランクは調子狂っちゃうんですよ。中二日か三日くらいが良いローテーションですので、宴会の余興でもなんでも、ぜひお声かけてください。どんどん出て行きます!
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