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 第540回「祝ったり弔ったり祝ったり」2015 06.01発行


 5月だというのに夏日の毎日でした。本日から6月、ペーソスは、かりゆしモードに入ります。夏衣装を解禁いたします。そう決めた途端に、涼しくなったりして?

5/25(月)はアラーキー先生75歳の誕生日でした。パーティーで新曲『写狂老人エロジー』をプレゼントしたところ、とても喜んで下さいました。「来年も、また頼むぜ。オレも次のテーマがあるからさ」と意欲的です。「写狂老人」というのは、葛飾北斎が数え年75歳の時に名乗った「画狂老人」を意識したもの。北斎を超える芸術家たらんと決意を新たにされているようです。スゴいなぁ、アラーキー先生は。

5/30(土)は、浅草「東洋館」と、プライベートライブを掛け持ちしました。まずは昼席の東洋館です。 行きがけ、浅草国際通りを渡る交差点で信号待ちをしていたら、向こうで手を振って飛び跳ねているハデなTシャツの男が一人。私のアニメ師匠、吉本の漫才師「はりけ〜んず」の前田登さんでした。雷5656会館「浅草花月」出番の合間に昼食へ出たところとのこと。こんなところで芸人同士として邂逅するとは、数年前まで思ってもみなかった現象でござる。彼は芸歴30年近くのプロ中のプロですが、私はボーイズバラエティ協会に所属して3年目。彼は5歳年下ですが、大先輩です。前田兄さん、というよりも師匠です。もとよりアニメの師匠ですが。着ていたTシャツは、「あしたのジョー」でした。浅草を意識して、いつもの萌えアニメではなく、昭和をチョイスした模様。アニTでも、一応、気を使っているのね。
東洋館の楽屋で、末井さんが鏡を見ながらニヤニヤしているので、どうしたのか尋ねたら、「ボクも芸人ぽくなったなぁと思って」と言いました。アホか。

 東洋館の出番が終わって、次は世田谷でプライベートライブ出演。ここ数年、毎年呼んで下さっている鳶の頭Kさんの誕生日パーティーのゲストです。入り時間まで3時間以上、間が空いており、どうやって潰そうかと思っていたら、末井さんは「ボクは映画を観に行こうと思って調べてきたんですよ」と上映時間のプリントされた紙を取り出しました。尚人くんもそれに乗っかって、二人で渋谷へ。島本さんは事務所へ寄って著書「大丈夫かい山田さん!」を取って来ると言って去りました。一人取り残された私は、はりけ〜んず前田に電話してみたところ、ちょうど出番が終わったとのこと。昼間から浅草で前田師匠と呑みました。
 今いくよさん死去の話になり、前田曰く「ついこの間もご一緒させて頂いて、階段の上り下りがお辛そうやったけど、そない悪いとは思わなかったんで驚いた」と。5月中旬ぐらいまで、舞台に立たれていたそうです。いつも笑顔を絶やさない人で、悪く言う者のいない人格者というのは、TVで拝見していた通りです。後輩たちは「男前のお姉さん」と評していた、と。気風が良く面倒見の良い、愛すべき先輩だったと、惜しがっていました。早すぎる死去は、本当に残念です。

 その後、丁度良い時間となって世田谷方面へ。何度かライブでお世話になっている、東横線都立大学駅近くの「IHATOVO」さんがパーティー会場です。主役Kさんのご希望通り、たっぷり演奏いたしました。ちょうど私がしゃべっているときに、小笠原で地震が発生し、かなり長時間揺れました。アラーキー先生誕生日の昼にも埼玉県北部震源で揺れました。アラーキー先生は「天才は天災を呼ぶってことだな」と言っていましたが、この日の天災の天才は、誰だったのか? ひょっとして島本慶、かな?

さて、本稿アップ日の 6/1(月)は、下北沢「ラ・カメラ」で、毎月恒例アラーキー先生定期展の余興です。今一度、『写狂老人エロジー』をプレゼントします。入場無料ですので、お気軽にお出かけください。

 6/3(水)は、西荻窪「みちのくらさん」単独ライブです。主催者Yさんがバッチリ集客して下さるので満席の可能性アリ。お運びの際には、お店へお問い合わせください。
6/5(金)は、横浜「FRIDAY」です。こちらも宜しくお願いします。
 来週の火曜日、6/9は、島本慶「大丈夫かい山田さん!」出版記念ライブが代官山「山羊に、聞く?」さんであります。 予約受付中ですので、ぜひお願いします。

 東洋館の舞台袖で、チャーリーカンパニー日高てん師匠から「スマイリー井原ってのは、スマイリー小原さんから来てるの?」と聞かれました。名前が似ているので何となく……と曖昧な返事をしたところ、「あの先生は素敵な人だったなぁ。ご一緒した時、バックで演奏してもらったのよ。『どんな曲が良いの?』って聞かれて、『適当にお願いします』って言ったら、こう、こんな風に指揮して」と振りマネ。「それから、チャーリー石黒先生もカッコよくってね。森進一さんを世に出した人でさ……みんな、死んじゃった。人間は、死ぬんだね」思わず「当たり前でしょ!」とツッコミそうになりましたが、相手は大師匠。ヘラヘラ笑っていたら、モダンカンカン川田恋師匠が、「チクショー、じゃなくて日高シショー」と割って入り、日高てん師匠「恋ちゃん、今、チクショーって言わなかった?」「いうワケないでしょチクショー、じゃなくて師匠」舞台袖なので、声を殺して笑いました。楽しいです、ボーイズバラエティ協会!


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