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第460回「北海道ツアー大成功!」2013 11.18発行


先週、しれっと更新を休んでしまいまして、申し訳ございません。
未だ、パソコンの引越しがならぬのです。毎日少しずつ、旧機のファイル削除などをしています。もうすぐ、きっと出来るはず。来週こそは、新機でお届けいたします。

さて、早いもので先々週になってしまいましたが、北海道へ行ってきました。カニを食べに……じゃなくて、ライブをしに! 今回は、その詳細をレポートいたします。

11/8(金)の昼、羽田空港に集合すると、島本さんは厚手のコートにマフラーに手袋。私は、電車内が暑くて、上着を脱いでシャツ一枚だというのに、寒がりおやぢは完全に冬支度です。末井さんは、大きなスーツケースで現れました。いつもは小荷物なのに、珍しい。「美子ちゃんが、風邪ひいたら大変だからって、服を一杯詰めてくれたんですよ」とのこと。サックスケースと合わせて、二箱の大 荷物です。尚人くんは軽装ですが、「ヒートテック着てきました」。私だけ、ウインドブレーカー一枚で、大丈夫かなぁ。
新千歳空港へ着くと、今回のツアーのプロデューサー、加藤克明さんが、車で迎えに来てくださっていました。加藤さんは、普段は東京在住のペーソスファンなのですが、帯広市出身という部分におすがりして、無理やりライブの企画制作をお願いしたのです。一日前のりして、帯広で車を借りてきてくださったとのこと。ありがたや。今回も、人の情けに倚りかかりまくるのです。なお、ペーソス新聞11月号に加藤さんのファン履歴が掲載されておりますので、ご覧ください。
この日の北海道は、低気圧の接近で悪天候という見込みでしたが、高速道路で一時的に強い雨の区間があったものの、札幌市内へ着くと晴れ間が見えていました。寒いですが、想定内です。ウインドブレーカー一枚でも大丈夫! 日が落ちると更に寒いですが、宿泊先からライブ会場まで徒歩五分くらいなので、我慢。この日のライブ会場は、アーケード街「狸小路」にある雑居ビルの中のお店、「才谷屋」さんでした。普段は酒場ですが、ご主人が音楽好きで、しばしばアコースティック系のライブをなさっているとのこと。音響設備も整っています。店内はちょっと狭いけど、お客様は満席でした。末井さんファンの方が、多かっ たですねぇ。新著「自殺」にサインを求めていらっしいました。
とりあえず、初日のライブが終わってほっとして、当然の如く、深夜まで酒……。

11/9(土)午前中に、加藤さん運転の車で出発して、帯広市へ向かいました。峠越えをする山道で、路面凍結している可能性もある、なんて地元の人たちに脅されましたが、なんのことはない、高速道路の一本道で、長いトンネルを幾つも抜けて、難なく十勝平野へ出ました。すばらしい光景です。松山千春さんの『大空と大地の中で』を熱唱したくなる雄大な風景が広がっています。日高山脈を越えたことで、気候が太平洋型になり、札幌方面と比べて雪は少ない、と加藤さんがおっしゃっていました。なるほど。
帯広の宿泊先は、加藤さんのご実家です。そこまでお世話になっちゃう、ずうずうしいペーソス! 近くに競馬場があることを見出して、島本さんと末井さんがソワソワし始めました。ライブまで時間があるので、荷物を置いて即、競馬場へ。私、競馬場へ入るのは初めてです。馬が見られるのは嬉しいけど、ギャンブルには興味ないんですが。
帯広競馬場は、サラブレッドが長距離を一周するおなじみの競馬じゃございません。「ばんえい競馬」です。逞しい馬がそりを引いて直線を走るのです。途中に二ヶ所、山があって、最初のは低いのですが、二個目の山は大盛り。各馬一斉にスタートして、最初の山を越えたあたりで、止まります。もう疲れちゃったのかな。そこからもたりもたりと二個目の大山の前へたどり着くと、ほとんど全部の馬が横一列になります。ここまでの100メートルは何だったのか? そりに乗った騎手の人たちが、馬の手綱を引き絞って体重を後ろへ掛けると、馬ものけぞり、その反動で大山を上るのですが、これが本当に辛そう。そりが600㎏もあるそうですよ。
馬の体重が1トン前後だから、体重の60%を引いて急坂を登るのは、そりゃ大変。必死に登って降りた馬が、ま、ほぼ一着になるんですが、中には登山に疲れて、ゴール前で止まってしまう馬もいます。すると、騎手が激しく鞭打つのです。かわいそう。スピードが緩いので、熱心な人や子どもたちが、スタート地点から馬を追いかけてきて、余裕でゴールシーンを見られます。そういう点では、のんきですなぁ。お客さんも、地元のご隠居さんたちが主体で、1レースあたり100円200円程度の投資だそうです。のどかだなぁ。
ところが、島本さんと末井さんは本気モード。競馬新聞をそれぞれに買って、パドックを見て、難しい顔で長考した末に、締め切りぎりぎりになって馬券を買って、祈るようにレースを見ております。で、結局ハズレ。加藤さんも尚人くんもハズレ。みんなハズレて、レースごとにしょんぼり。私は、その様子を、ただ見ておりました。そろそろ時間だから最後にしようと挑んだレースで、末井さんが、念のために買っておいた1着単賞を当てて、トータル「イッテコイ節」となったのが、唯一の勝利でした。末井さんは気が大きくなり、「僕だけ勝ったから、コーヒーおごってあげますよ」と言うので、ゴチになりましたが、ちょっと待て。差し引きゼロだっただけでしょ。金沢に引き続き、こうしたことで儲かった気になってしまう末井さんの弱点を、また目撃いたしました。

さて、この日のライブは、繁華街にある高級クラブ然としたお店「サウンドキャッスル アイリー」さんです。カラオケセットはあるけど、きちんとした音響設備はないとのことで、加藤さんがご友人を介して、機材&PAさんを用意してくださいました。さすが、地元! 広い店内に満席のお客様も、加藤さんが、弟さん妹さんのお友だちにまでお願いして、集めてくださいました。すごいぞ地元! ライブをがんばらないと、加藤さんに恥をかかせることになってしまいます。「何でこんなヘンなのに入れ込んでんの?」なんて思われたら大変です。プレッシャーを感じつつ、出来ることしかできないので背伸びはせず、いつも通り のステージを繰り広げたところ、大好評でした。あぁ、良かった。
終演後、ライブへ来てくださったママさんのお店へ伺ったところ、お客様はすべて、ライブを観てくださった方々でした。カラオケがあったので、『霧雨の北沢緑道』をご披露して、盛り上がりました。良い打ち上げだった。ま、それで終わるはずもなく、加藤さんのご実家で、深夜まで家呑み。またしても、したたか呑んでしまった。

11/10(日)午前中に帯広を出て、再び札幌へ。
朝から雨で、峠は土砂降りでしたが、札幌へ着くと晴れ間が覗いておりました。悪天候からギリギリで逃れられてラッキーでござる。末井さんは、この機会に札幌の書店を回って自著「自殺」の販売促進活動をするというので、駅前で別れて、残る4名でスーパー銭湯へ。天然温泉で、スッキシ! 併設の食堂で、北海道でしか食べられないであろう「ホッケのフライ定食」を頂きました。ライブへの活力を得た!

ツアー最後のライブは、狸小路から一本先の好ロケーション「Musica hollcafe」さんです。アコースティック系のライブバーで、札幌では有名店のようです。お店も広いし、ガッチリ集客は、またしても加藤さん任せ。お任せして正解、満席でございました。ホンマ、加藤さんがいてくださらなかったら、こんな盛況はありえなかった。 東京から、加藤さんのご友人M社長もわざわざお見えになり、恐縮至極。アングラ女優にしてパンクシンガー、ゴールデン街のママで、末井さん編集の本「行ってもイイ精神科、ダメな精神科」が話題の、ひろ新子さんも東京から、ライブを観るだけのために来てくださいました。ありがとうございます。
ペーソス1stアルバム「甘えたい」ジャケットの和服美人、札幌在住の女優にしてバンド「ジプシーローズ」ボーカル藤野羽衣子さんも、来てくださいました。島本さんなじみのすすきののバー「Waits」マスターも、お見えになりました。我々の自力は、その程度。満場のお客様、ほとんど加藤さんが集めてくださったのは、驚きです。社交家だとは思っていたけれど、失礼ながら、ここまで動員力があるとは思いませんでした。満席だと実力以上の力が出るペーソスは、この日も良いパフォーマンスをお届けできたものと思います。加藤さんが、「みんな『次も必ず来る』って言って帰ったよ」とおっしゃっていました。女へんで喜ぶ。すぐに行かないと忘れられてしまうかもしれないので、来年も行きますか!……また、加藤さん頼みで。
といった感じで、当然、10日夜も深夜まで呑み、翌日の11日(月)に帰着いたしました。充実したツアーだった! 
新たなお客様を開拓でき、大収穫でございます。開拓のお土地柄ですからなぁ、北海道は。

地元の方々に、口々に言われたことは、「次は夏に来てください」でした。
北海道は冬に来るところじゃない、とのこと。来年は、夏に北海道ツアーを敢行することにいたします。
もう、決めましたので、加藤さん、よろしくお願いします!

                                        画像:末井昭 @sueiakira


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